アメリカの国際写真賞『reFocus Awards』と『International Photography Awards』から連絡がありました。カンボジアの平和運動の象徴として、不当な投獄下にありながらも、政権の弾圧に立ち向かい続けたテップ・バニー女史の祈りの姿『Fighting for Social Justice』が、reFocus Awardsの報道写真部門で、第3位となりました。また、その他部門で、伝統のナマハゲ行事を取材した『NAMAHAGE』が、同じく第3位となりました。同賞は、写真にかける不屈の情熱と優れた才能を讃え、発掘し、世界の写真界の発展に寄与することを目的に創設され、2022年度は68か国から作品が集まりました。同賞の特徴は、審査員の審査を経て、ファイナリストにノミネートされた作品は一般公開され、世界中の人々からの『投票』が加味されて、受賞が決まります。2022年度は最終的に4万1千の投票が集まり、各賞が決まりました。
テップ・バニー女史は、弾圧と不当な投獄から逃れるために、現在はアメリカで事実上の亡命生活を送っています。独裁色が強まる祖国カンボジアの現状をいつも心配し、公正な社会の確立を求めて、今も勇気ある声を上げ続けています。その屈せざる姿が少しでも世界に広まり伝わり、彼女が再び、祖国の地を自由に踏める日が来ることを、願い続けていきたいと思います。
ニューヨークの国際写真賞『International Photography Awards』(IPA)で、神の魚・ハタハタ(鰰)を追い求め、荒れる海に挑む秋田、男鹿半島の漁師の姿を見つめた9枚のフォトストーリー『ハタハター神からの贈りもの』が報道写真部門(Editorial/Press/Feature Story/Professional)にて、『Official Selection』と『Honorable Mention』を受賞しました。IPAは世界最大規模の写真賞の一つとされ、2022年度は120か国から1万4千点の作品が集まりました。ハタハタ漁の物語は、毎日新聞での連載や写真展などで、思いを込めて伝えてきた内容となります。私の取材を受け入れてくださった漁師の皆様には、感謝の思いしかありません。
また、2021年度のIPAでは、テップ・バニー女史の祈り闘う姿『Fghting for Social Justice』が、報道写真部門(Editorial/Press/Other/Professional)にて、第2位を受賞しました。私はこれからも、政権の弾圧と闘うカンボジアの人々と、故郷秋田の受け継がれし営みを国内外の目に届け、少しでも光を当てることができるように、挑戦を続けていきたいと思います。
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